FIFINE T669 USBマイクセット

本製品は単一指向性のみに対応しており、指向性を切り替える機能は搭載されていません。そのため、マイクの正面からの音声を重点的に拾うことはできますが、全指向性や双指向性のように複数の方向からの音声を同時に収録したり、用途に応じて指向性を変更したりすることはできません。この機能がないため、複数人での会議や、部屋全体の音を録音したい場合には不向きです。単一指向性での使用が前提となります。

マイク本体に音量調節ノブが搭載されており、手元で入力される音の大きさを調整することが可能です。これにより、音割れを防いだり、小さな音を聞き取りやすくしたりと、状況に応じて適切な音量レベルに設定できます。ただし、スタッフレビューには「音のゲイン調節のつまみがうまく働かず、たまに音量が変化する不具合があった」という指摘もあり、個体差や長期使用による安定性に懸念が残る可能性もあります。基本的なゲイン調整は可能ですが、より精密な調整を求める場合はPC側の設定も併用すると良いでしょう。

本製品にはメッシュ式のポップガードが付属しており、マイクに息や風が直接当たることで発生する「ポップノイズ」（破裂音）や「ヒス音」などの気流音を効果的にブロックします。これにより、ボーカルやナレーション、配信など、マイクに口元が近い状況でもクリアで聞き取りやすい音声を収録することが可能です。ポップガードはマイクの音質を向上させる上で非常に重要なアクセサリーであり、本製品に標準で付属している点は大きなメリットです。

本製品には衝撃や振動を吸収するショックマウントが付属しています。これにより、マイクスタンドやデスクからの物理的な振動がマイク本体に伝わることで発生する「ゴトゴト」といった低周波ノイズを効果的に軽減します。特に、キーボードのタイピング音や机の揺れなど、意図しないノイズが音声に混入するのを防ぎ、よりクリアな録音環境を提供します。ショックマウントは、プロフェッショナルな録音環境では必須とされるアクセサリーであり、本製品に標準で含まれていることは高い評価ポイントです。

本製品には、エアコンの稼働音やPCのファンノイズ、床からの振動など、不要な低周波ノイズをカットするローカットフィルター機能は搭載されていません。そのため、これらの低音域のノイズが気になる場合は、PC側のソフトウェア設定や、別途オーディオインターフェースやミキサーなどの外部機器で処理を行う必要があります。この機能がないことで、特に静かな環境での高音質録音を目指す際には、追加のノイズ対策が必要になる可能性があります。

本製品には、マイクに入力されている音声をリアルタイムでヘッドホンに出力するダイレクトモニタリング機能は搭載されていません。そのため、自分の声や楽器の音を遅延なく確認しながら録音することはできません。録音中の音量バランスや音質を正確に把握するためには、PCのオーディオ設定を介してモニタリングすることになりますが、その際にはわずかな遅延（レイテンシー）が発生する可能性があります。この機能は、特に歌の録音や楽器演奏の際に重要となるため、注意が必要です。