FEELWORLD LIVEPRO L1 V1

4系統のHDMI入力は、複数のカメラやPCを接続するのに十分な数ですが、最上位製品の8系統と比較すると拡張性はやや劣ります。USB 3.0出力はライブストリーミングに便利ですが、プロフェッショナルな現場で使われるSDI出力がない点は、用途によっては物足りなく感じる可能性があります。オーディオ入出力も備わっており、基本的な接続性は確保されています。価格を考慮すると妥当な数ですが、より多くのソースを扱いたい場合は上位機種を検討する必要があります。

PIP機能や多彩なトランジションエフェクト、マルチビューワー機能を搭載しており、基本的な映像演出は可能です。しかし、最上位製品が持つ高度なダウンストリームキーヤー（テロップ挿入）やクロマキー（グリーンバック合成）機能については、商品情報からは明確に確認できませんでした。これらの機能がない場合、より複雑な映像表現には外部機器が必要となります。入門機としては十分ですが、プロフェッショナルな演出には限界があります。

2.0インチTFTディスプレイと物理ボタン、Tバーによる操作は直感的で分かりやすく、初めてビデオスイッチャーを使用する方でも比較的容易に扱えます。多くのユーザーが「使いやすい」「直感的」と評価しており、手元で素早く操作できる点は大きなメリットです。ただし、Tバーの挙動に関する混乱の声もあり、慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。全体として、操作性は良好です。

オーディオ入力と出力端子は備わっていますが、商品情報からは複数の音声ソースを個別に調整・ミックスする高度な音声ミキシング機能については明確な記載がありませんでした。一部のユーザーレビューでも、この機能が限定的であるとの指摘があります。そのため、複数のマイクや外部音源を同時に使用し、細かく音量バランスを調整したい場合には、外部ミキサーの利用が推奨されます。基本的な音声切り替えは可能です。

USB 3.0によるストリーミング出力機能は、PCとの連携を容易にし、ライブ配信の入門機として十分な拡張性を持っています。LANポートによる制御・アップグレードも将来的な対応に期待が持てます。しかし、最上位製品が持つようなSDI入出力や、より高度なネットワーク機能、将来的なファームウェアアップデートによる機能拡張の幅広さといった点では、やや限定的と言えるでしょう。将来的なステップアップを考えると、拡張性は控えめです。